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「2つの封筒問題(封筒のパラドックス)」 - その、期待できない「期待値」

※2017/01/08 に本記事内容を改修しました。

【問題A】
 ここに二つの封筒がある。
 今 あなたは一つの封筒を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここであなたは次のような提案をされる。
 「あなたはその1万円入りの封筒をそのままもらうこともできますが、
  その1万円を元手にゲームをすることもできますよ。
  そのゲームでは、コイントスして、表が出れば 2万円が貰えます。
  でも、裏が出たら 5000円しか貰えません。
  どうしますか?」
 あなたは、このゲームを辞退すべきか、それとも乗るべきか?

 【答】
  このゲームをした場合の期待値を計算すると、

   5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

  そうすると、

   封筒をそのまま貰った場合:10000円 < ゲームをした場合の期待値:12500円

  なので、
  このゲームには乗るべきである。

では、次の問題はどうだろう。

【問題B1】
 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?

 【答】
  封筒の中の金額が a < b か、それとも a > b か、は五分五分の確率なので
  どちらの封筒を選んだほうが得ということはない。

【問題B2】
 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?

 【答】
  封筒b の中身の期待値を計算すると、

   5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

  そうすると、

   封筒a をそのまま貰った場合:10000円 < 封筒b に換えた場合の期待値:12500円

  なので、
  封筒b に交換すべきである。


『絵解きパラドックス』(監修:高橋昌一郎) の「交換のパラドックス」の項から流用、でも大幅に改変


【問題B1】のような場合、普通、その【答】ように、

 封筒の中の金額が a < b か、それとも a > b か、は五分五分の確率なので
 どちらの封筒を選んだほうが得ということはない。

で 済ませてしまいがち - それに、この【答】は明らかに正しい - ですが、
敢えて 封筒a の金額をX として「封筒bの中身の期待値」を計算してみると ・・・

 封筒bの金額の「期待値」
あれれ?
封筒bの金額の「期待値」は、封筒a の金額の 1.25倍?
【問題B2】の場合ように、封筒a の金額を確認して、それが たとえいくらであったとしても、
封筒bの金額の「期待値」は、封筒a の金額の 1.25倍
それじゃ、
封筒bの金額の「期待値」に従うなら、封筒b に交換すべき???
これがいわゆる「2つの封筒問題(The Two Envelopes Problem)
あるいは「交換のパラドックス(The Exchange Paradox)」というやつですが、
その「交換すべきである」という答え、そして その根拠である「期待値」、明らかにおかしいです。

次の章では、「2つの封筒問題」に取り組む前に、
まずは、そもそも「期待値」とはどういうものか、を考えてみます。

■ そもそも「期待値」とはどういうものか

「期待値」とは、ある試行(a trial)を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値です(*1)
(以降、特に断わりなく「試行」とある場合、その結果が偶然によって決まるもの、つまり "無作為的な"実験や観測のことです)
一般的に、
ある試行が行われる ひとつの「世界」から、
その試行の結果、実現値それぞれのどれもが「実現」する可能性があるのなら、
言い換えれば、
その試行を無限に行えば、全ての実現値が必ず実現するなら、
その試行に対する「期待値」は、当てにできる期待値、真の期待値です。
例えば、

あなたはカップに一つのサイコロを入れて振り、カップを伏せた。
カップの中の出目の期待値は?


サイコロ
図 1

 ( 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 ) × 1/6 = 3.5

や、
冒頭で紹介した、【問題A】


「あなたはその1万円入りの封筒をそのままもらうこともできますが、
 その1万円を元手にゲームをすることもできますよ。
 そのゲームでは、コイントスして、表が出れば 2万円が貰えます。
 でも、裏が出たら 5000円しか貰えません。
 どうしますか?」

の場合の期待値
コイントス
図 2

 5000×1/2 + 20000×1/2 = 12500円

も真の期待値です。

それでは問題、

【問題C】
ここに、二つの箱がある。
どちらの箱にも三枚の数字の書かれたカードが入っていて、
それぞれ、

  { 1, 2, 3 }
  { 2, 4, 6 }

であることはわかっているが、どちらの箱に どちらの数字の組が入っているかまでは分からない。
今あなたは片方の箱を選び、その中に手をいれて、無作為にカードを1枚取り出した。
… (以降、【ケース1】 もしくは 【ケース2】 に分枝)


それでは、まずは…

【ケース1】

取り出したカードの数字が"1"だった場合、
さらに 同じ箱からカードを無作為に もう一枚取り出すとするならば、
そのカードの数字の期待値はいくらか?


カード1
図 3

 ( 2 + 3 ) × 1/2 = 2.5

これは、{ 2, 3 } が残っている封筒から「カードを無作為に一枚取り出す」という、ひとつの試行:Tssaを無限に行った場合に「実現」する、全ての実現値の平均値なので、期待値としてなんの問題もありません。

では、今度は…

【ケース2】

取り出したカードの数字が"2"だった場合、
さらに 同じ箱からカードを無作為にもう一枚取り出とするならば、
そのカードの数字の期待値はいくらか?


カード2
図 4

 ( ( 1 + 3 ) × 1/2 + ( 4 + 6 ) × 1/2 ) × 1/2 = 3.5

この「期待値」、一見するとなんの問題なさそうですが、ホントにそうでしょうか。
繰り返しますが、
「期待値」とは、ある試行(a trial)を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値です。
ところが、この「期待値」の算出には、
{ 1, 3 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssa と、
{ 4, 6 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssb の
"二つ"の試行が含まれていて、
プレイヤーには自分が今やろうとしている試行が二つの試行:Tssa/Tssb のどちらなのか分かっていません。

く(  ̄o ̄)y-~~
「で、それがなにか?
 確かにプレイヤーは自分が今やろうとしているのが、
 二つの試行:Tssa/Tssb の内、どっちなのか、分かり様がないけど、
 現実に どちらかなのは間違いないんだから、
 Tssa を無限に行った場合の全ての実現値の平均値:2 と
 Tssb を無限に行った場合の全ての実現値の平均値:5 の
 平均値:3.5、これって あてにできる期待値じゃん」

では
ここで、ちょっと後戻りして、
「今あなたは片方の箱を選び(Tsb)、
 その中に手をいれて、無作為にカードを一枚取り出す(Tsfa/Tsfb)」
つまり、最初に選ばれるカードの期待値を算出してみます。

最初に選ばれるカード(顔つき)
図 5

 ( ( 1 + 2 + 3 ) × 1/3 + ( 2 + 4 + 6 ) × 1/3 ) × 1/2 = 3

この期待値の算出には なにも問題ありません。

(  ̄д ̄)/ ⌒-~
「おぃおぃ、ちょっと待てぃ!
 お前さ、さっき、
 「【ケース2】の期待値の算出に 二つの試行:Tssa/Tssb が含まれてるけど、
  ホントに それで問題はないのか?」
 ってなこと、言ったばっかじゃん!
 この「最初に選ばれるカードの期待値」の算出にも、
 箱{ 1, 2, 3 } から「カードを無作為に一枚取り出す」という試行:Tsfa と、
 箱{ 2, 4, 6 } から「カードを無作為に一枚取り出す」という試行:Tsfb の
 二つの試行が含まれてるじゃんよ!
 なのに、「最初に選ばれるカードの期待値の算出」には「問題ありません」だぁ?
 なに矛盾かましてんだよっ!」

「最初に選ばれるカードの期待値」の算出の場合は、
二つの試行:Tsfa/Tsfb が含まれていても 全く問題ありません。
それは、
「あなたが片方の箱を選んで(Tsb)、その箱に手を入れて、無作為にカードを一枚取り出す(Tsfa/Tsfb)」という試行(下図の緑の破線枠内)は、
例えば、
「六枚のカード{ 1, 2, 3, 2, 4, 6 } が入っている"ひとつ"の箱に手を入れて、無作為にカードを一枚取り出す」という、全く同型の"ひとつ"の試行に還元することができるからです。

最初に選ばれるカード_同型_還元(顔つき)
図 6

これらは なぜ同型と言えるのか。
「あなたが片方の箱を選んで(Tsb)、その箱に手を入れて、無作為にカードを一枚取り出す(Tsfa/Tsfb)」という試行の本質は、「六枚のカード{ 1, 2, … } から 無作為にカードを一枚選ぶ」(これを試行:Tsc とします)であり、「選ばれるカードが二つの箱の どちらに入っているか」なんてことは、この本質には なんらの影響も与えない分枝にすぎないからです。
それ故、図 6 のように、
「試行:Tsb が行われる世界」と、そこから分枝した「試行:Tsfa が行われる世界」と「試行:Tsfb が行われる世界」を融合させて、その本質を全く変化させることなく、「試行:Tsc が行われる世界」に還元できる訳です
(この「融合」は、「試行:Tsfa が行われる世界」と「試行:Tsfb が行われる世界」が、元々同じ「試行:Tsb が行われる世界」からの全ての分枝であるが故に可能であること、それ故、「最初に選ばれるカード」が実現する六つの世界(上図の赤の破線枠内)は、この「融合」後も全く変化していないことに留意)。
そうすると、
ひとつの試行の分枝複合体:Tsb →Tsfa/Tsfb が行われる ひとつの「世界」(上図の緑の破線枠内)の高さと、試行:Tsc の結果、実現値:{ 1, 2, … } それぞれが実現する「世界」の高さを合計した高さ(上図の赤の破線枠)は同じで、
これはつまり、ひとつの試行の分枝複合体:Tsb →Tsfa/Tsfb を無限に行えば、実現値:{ 1, 2, … } のどれもが必ず実現する、ということです。
なので、
「最初に選ばれるカードの期待値」の算出、

 ( ( 1 + 2 + 3 ) × 1/3 + ( 2 + 4 + 6 ) × 1/3 ) × 1/2 = 3

は、ひとつの試行の分枝複合体:Tsb →Tsfa/Tsfb を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値に他ならず、
よって、
この「最初に選ばれるカードの期待値」:3 は、期待値できる真の期待値です。

で、
【ケース2】に話を戻すと…


取り出したカードの数字が"2"だった場合、
さらに 同じ箱からカードを無作為にもう一枚取り出とするならば、
そのカードの数字の期待値はいくらか?


2番目に選ばれるカード
図 7

 ( ( 1 + 3 ) × 1/2 + ( 4 + 6 ) × 1/2 ) × 1/2 = 3.5

先にみたように、
今から「あなた(図5の顔マーク)が片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」という試行の分枝複合体:Tsb → Tsfa/Tsfb を行おうとしているのであれば、「今あなたがいる世界」からは、実現値{ 1, 2, 3, 2, 4, 6 } いずれの数字が実現する どの世界へでも、そこに到達する可能性はひらけています。
ところが
この【ケース2】:最初に「取り出したカードの数字が"2"だった場合」、
今から「あなた」(図7の顔マーク)が二枚目のカードを取り出すという試行を行おうとしている世界は、
箱に{ 1, 3 } が残っている世界か / 箱に{ 4, 6 } が残っている世界 か、
つまり、
実現値{ 1, 3 } の世界か / 実現値{ 4, 6 } の世界 か、
つまり、
今から 試行:Tssa が行われる世界か / 試行:Tssb が行われる世界 か、
のどちらかです。
「二枚目のカードを取り出すという試行を行おうとしている今」、既に「あなた」はどちらかの世界にいる訳で、
仮に「あなた」が「箱に{ 1, 3 } が残っている世界」にいるのであれば、二枚目のカードとして{ 1, 3 } いずれも それが実現する可能性はひらけていますが、{ 4, 6 } いずれも それが実現する可能性は全くありません。
逆に、仮に「あなた」が「箱に{ 4, 6 } が残っている世界」にいるのであれば、{ 4, 6 } いずれも それが実現する可能性はひらけていますが、{ 1, 3 } いずれも それが実現する可能性は全くありません。
そして、
この【ケース2】の場合、先の「今あなたが片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」場合と違って、その平行世界の分枝(図7)に、「試行:Tssa が行われる世界」と「試行:Tssb が行われる世界」のどちらもが そこから直接・間接を問わず分枝する、かつ、この二つの世界それぞれの高さ(二つの赤の破線両矢印)を足した高さ と 同じ高さの世界 は存在しません。
つまり、「試行:Tssa が行われる世界」と「試行:Tssb が行われる世界」のみ・すべてが そこから直接・間接を問わず分枝する"幹"世界 は存在しません。
なので、先の「今あなたが片方の箱を選び…カードを1枚取り出す」場合と違って、「試行:Tssa が行われる世界」と「試行:Tssb が行われる世界」は、いかなる ひとつの「世界」にも「還元」することができません。
繰り返しになりますが、
「期待値」とは、ある試行(a trial)を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値です。
つまり、今「あなた」が「ある試行」を行おうとしている ひとつの「世界」で実現可能性な全ての実現値のみの平均値である、ということです。
ところが、
この【ケース2】の「期待値」の算出では、
「試行:Tssa が行われる世界」の実現値{ 1, 3 } と、
「試行:Tssb が行われる世界」の実現値{ 4, 6 }、
二つの「世界」それぞれでのみ実現可能な実現値が一緒くたにされています
つまり、
今「あなた」が「二枚目のカードを取り出すという試行」を行おうとしている ひとつの「世界」からは絶対に実現しない「実現値」が含まれている訳です。
よって、
この【ケース2】の「期待値」は、
今から「あなた」が行おうとしている「二枚目のカードを取り出す」という ひとつの試行の期待値ではなく
{ 1, 3 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssa を
無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値(つまり 真の期待値)と、
{ 4, 6 } が残っている箱から「カードを無作為に1枚取り出す」という試行:Tssb を
無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値(つまり 真の期待値)
の単なる平均値にすぎません。

(; ̄д ̄)/
「でもさ、
 日本人の男の身長の平均値 と 女の身長の平均値 の「平均値」も、
 「日本人の身長の平均値」として、ちゃんと情報としての価値があるだろ !? (*2)
 だったら、
 試行:Tssa の真の期待値 と 試行:Tssb の真の期待値の平均値だって、
 ちゃんと情報としての価値のある、
 つまり、お前のいうところの、「期待」できる、真の期待値じゃんよ!」

某協会主催で中学生数学選手権大会が行われることになりました。
大会には、全国の中学校から選ばれた学生の男女のペアが参加します。
そこでは、各ペアから無作為に男女のどちらかが選ばれ、その選ばれた各校それぞれの代表のみが100点が満点のテストに臨み、その数学力を競います(*)

そこで、ある中学校の校長先生は、数学の先生たちを集めて こう命じました。
「我が校の三年生はちょうど男子100人、女子100人だから、
 まずは、

 { 男子1, 女子1 }、{ 男子2, 女子2 }、・・・ { 男子100, 女子100 }

 といった具合に、くじ引きかなにかで ランダムに100のペアを作ってください。
 そして、100 の各ペア それぞれについて、
 ここ一年間の、男子の数学のテストの点数の平均値 と 女子の点数の平均値 の「平均値」
 (つまり、男子の点数と女子の点数を一緒くたにして算出した平均値)を算出してください。
 その「平均値」が一番高いペアを大会に出場させます…」

 (*):なんか妙なルールですが、「期待値」の本質を明確にする為の譬え話としてどうか御容赦を


くどいようですが、「期待値」とはある試行を無限に行った場合に実現する全ての実現値の「平均値」です。
ならば、
今の場合、数学のテストを「試行」と見做し(*3)
さらに、無限とまではいかなくとも 十分な数の試行:「数学のテスト」の結果の平均値を 試行:「数学のテスト」に対する「期待値」と見做しても、さほど見当違いでもないでしょう。
なので、
例えば、
男子1の数学のテストの点数の平均値は、男子1の真の期待値、
女子1の数学のテストの点数の平均値は、女子1の真の期待値、
と見做すことができます。
それでは、
男子1の期待値 と 女子1の期待値の平均値、つまり、ペア{ 男子1, 女子1} の「期待値」は、
期待できる「期待値」、真の期待値でしょうか……?
とにかく、
校長先生のペアの選び方に問題があることは すぐに分かるはずです。
確かに、
あるペアの「期待値」が、例えば 90点のような 極端に高い点数なら、
それは、運よく 共に数学のできる男女がペアになっていることを意味しており、
逆に、あるペアの「期待値」が、例えば 10点のような 極端に低い点数なら、
それは、運よく 共に数学がかなり苦手な男女がペアになっていることを意味しています。
では、
あるペアの「期待値」が、例えば 50点のような場合は?
単に、男女どちらもが平均値:50点あたりのペアかもしれません。
ところが、{ 学年で一番数学のできる男子、数学ってチョ~苦手女子 } のペアであることもあり得ますし、その逆もあり得ます。
その場合、学年で一番数学のできる生徒が大会に出場できない、ということになりかねません。
いずれにしろ、
これらペアの「期待値」は、
大会では行われない「試行」の、大会では実現されない「実現値」を含めて算出されているので、
大会で期待できる「期待値」ではなく、
単なる「たまたまペアになった男子の期待値 と 女子の期待値の平均値」にすぎず、
(たまたま「期待」できるように見える場合もありますが)、とうてい"期待"値と呼べるものではありません。

まとめ。
期待値は所詮 実現値の「平均値」です。
しかし、
「実現値の平均値」だからといって、常にそれが真の期待値である、と言う訳ではありません。
つまり、
「実現値の平均値である」ことは「真の期待値である」ことの必要条件ですが、十分条件ではありません。

ある試行を行って実現する結果:実現値は、プレイヤーだろうが / 胴元だろうが / 観客だろうが、いかなる視点からであろうと、同じです。
例えば、サイコロを振って"1"が出た場合、プレイヤー / 胴元 / 観客、いかなる視点からであろうと、「実現」したのは"1"です。
プレイヤーにとっては"1"が「実現」して、胴元にとっては"2"が「実現」する、なんてことは有りません。
つまり、ある試行を行って「実現」する結果は純粋に客観的なものです。
それで、
"真"の「期待値」とは、今から行われる ある試行(a trial)のみを無限に行った場合に実現する全ての実現値の平均値です
この無限回の繰り返しにおいて、試行の度に「実現」する結果:実現値は全て純粋に客観的なものです。
この無限個の純粋に客観的な実現値の平均値が「期待値」ですから、期待値は純粋に客観的なものです
なので、
「期待値」の定義上、「それぞれの視点によって異なる、主観的な期待値」などというものは、完全に自己撞着を起こしています
譬えるなら、「主観的な期待値」なるものは、「種(しゅ)として雌が乳で子を育てない哺乳類」みたいなものです。

【ケース2】の場合、プレイヤーの視点からは、試行:Tssa と 試行:Tssb、どちらが「今から行われる試行」なのかが分からないので、プレイヤーの算出する「期待値」は、まさに「主観的な期待値」であり、この「主観的な期待値」は、単なる「今から行われる試行」と「今から行われない試行」、それぞれの「"真"の「期待値」の平均値」以外のなにものでもなく、いわば "偽(にせ)期待値"とでも呼ぶべきものです
そして、
この"偽期待値"は、先の「中学生数学選手権大会」の例でみたように、たまたま「期待」できるように見える場合もありますが、その本質において、当てにならない・期待できない「期待値」です。

さて、いよいよ
次の章では「2つの封筒問題」を考察して、
「封筒のパラドックス」の根源である「期待値」は、
実のところ、「どんなときも交換した方が得である」という馬脚を現した、"偽期待値"であることを明らかにします。

■ 「2つの封筒問題」における 期待できない「期待値」

前章の【問題C】の、箱の数を二つから三つに増やし、
ひとつの箱の中のカードの枚数を三枚から二枚に減らし、
さらに、カードに書かれた数字も変えます。
すると…

ここに、三つの箱がある。
どの箱にも二枚の数字の書かれたカードが入っていて、
それぞれ、

  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }

であることはわかっているが、どの箱にどの数字の組が入っているかまでは分からない。
今あなたは ひとつの箱を選び、その中に手を入れて、無作為にカードを一枚取り出した。

さらに、
この問題の、「箱」を「封筒のペア」に、
「箱の中のカード」それぞれを、「紙幣の入っている封筒」に換えるだけで
次の【問題D】となります。
なので、
次の【問題D】は【問題C】と全く同型です。

【問題D】
ここに封筒の(輪ゴムで合わせた)ペア、三組がある。
それぞれの封筒には紙幣が入っていて、それぞれのペアの金額が

  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }

で あることは、あなたも友人も知っているが、
封筒の外観はみな同じなので、どの封筒のペアがどの金額のペアなのかまではわからない。
あなたは、三組の封筒のペアの中から、無作為に一つのペアを選んだ。
そして、そのペアの片方("封筒a"とする)を あなたがとり、もう片方("封筒b"とする)を友人がとる。
と、あなた達は「お互いに封筒してもよい」と言われる。
・・・


まだ、「あなた」は 封筒a の中身を確認していません。
この時点での封筒a の中身の期待値は

 ( (05000 + 10000) × 1/2 +
 ( (10000 + 20000) × 1/2 +
 ( (20000 + 40000) × 1/2 )
 ( × 1/3 = 17500

そして、封筒b の中身の期待値も 17500。
これらの、「封筒の中身の期待値」は、
先の【問題C】の「最初に選ばれるカードの期待値」と全く同じもので、真の期待値です
(この【問題D】の場合は、
 「三組の封筒のペアの中から一つのペアを選ぶ」という試行が行なわれる「世界」
 と、
 そこから分枝する、三つの「世界」、
 「ペア { 05000, 10000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 「ペア { 10000, 20000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 「ペア { 20000, 40000 } から どちらかの封筒を選ぶ」という試行が行なわれる「世界」、
 の、計四つの「世界」が、
 「六つの封筒 { 5000, 10000, 10000, 20000, … } から ひとつの封筒を選ぶ」
 という試行が行なわれる ひとつの「世界」に還元できることに留意のこと)。
以上は、封筒b の中身を確認していないのであれば、友人からみても同じこと。
なので、「あなた」にとっても 友人にとっても

 封筒a の中身の期待値:17500
 封筒b の中身の期待値:17500

よって、これらの期待値から判断しても
「あなた」も 友人も 互いに封筒を 交換しようが/しまいが、どちらが得ということはない。
ここまでは、まったく問題なし。

では、ここで、
あなた達は「自分の選んだ封筒の中身を確認してもよい」と言われた、とします。
そこで、あなたが封筒a の中身を確認すると1万円でした。
なので、「あなた」は次の図のような事象の分枝(「枝」の高さはその事象の確率に対応しています)をイメージして、

封筒3組「あなた」
図:「あなた」からみた事象の分枝

封筒b の中身の「期待値」を

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

と 算出します。

一方、
友人が 封筒b の中身を確認すると2万円でした。
なので、友人は次の図のような分枝をイメージして、

封筒3組「友人」
図:友人からみた事象の分枝

封筒a の中身の「期待値」を

 (10000 + 40000) × 1/2 = 25000

と 算出します。
となると、

 「期待値」を当てにするなら、
 初めに 封筒のペア { 封筒a, 封筒b} の どちらの封筒を選らんでいようが、
 選んでいない方の封筒に交換したほうが得である。
 つまり、
 封筒a を選らんでいれば、封筒b に交換したほうが得であり、
 封筒b を選らんでいれば、封筒a に交換したほうが得である。

という 「交換のパラドックス」が発生することになります。
どうして、こんなパラドックスが発生するのか?
もう お分かりだとは思いますが、
それは、「あなた」や 友人が算出した「期待値」は、
先の【問題C】の【ケース2】の「期待値」と同じく"偽期待値"だからです。
「あなた」の場合に話を絞るなら、
「封筒a を 封筒b に交換する」という二つの試行:Tca/Tcb

【問題C】の【ケース2】の、
「箱に残っている二枚のカードから無作為に一枚を選ぶ」という二つの試行:Tssa/Tssb
に該当します。
そして、 【問題C】の【ケース2】と同様、
「あなた」の算出した「期待値」、

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

は、今から行う「封筒a を 封筒b に交換する」という ひとつの試行の期待値ではなく、
試行:Tca の真の期待値:5000 と
試行:Tcb の真の期待値:20000 の
単なる平均値、"偽期待値"です。

以上の私の論弁は、
このように、

  { 02500, 05000 }
  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
  { 20000, 40000 }
  { 40000, 80000 }

準備する封筒のペアを 五組に増やしても、
さらには、ペア { 10000, 20000 } の上下に、それぞれユニークな封筒のペアをどんどん増やしていって何組にしようとも、なんら変わるところは有りません。
そして、
最終的に ユニークな封筒のペアを無限にすると、
次のような典型的な「2つの封筒問題」と同型となります。
なぜなら ‐‐
無限のペアが準備されている場合でも、
「あなた」は、準備されている無限個全ての封筒のペアの金額の組み合わせを知っている、
とするならば、
当然、「あなた」は、その中に二つのペア
  { 05000, 10000 }
  { 10000, 20000 }
が存在すること知っていることになり、
それ故、「あなたが 封筒a に 1万円を確認した」場合、
「あなたが選んだペア」が{ 05000, 10000 } である確率は 1/2
「あなたが選んだペア」が{ 10000, 20000 } である確率も 1/2
であるとして、
「あなたが 封筒a に 1万円を確認した」場合の 封筒b の「期待値」を、

 (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

と算出することになり、これは【問題D】の場合となんらの違いもありません。
さらに、
「準備されている無限個全ての封筒のペアの金額の組み合わせを知っている」
ということは、
ただ単に
「胴元はいかなる金額の組み合わせのペアでも準備できる」
と 了解しているのと同じことです。
よって、
「あなた」が、実在する無限個の封筒のペアからひとつのペアを選ぼうが、
胴元が、頭の中で無限個の封筒のペアからひとつのペアを選ぼうが、
つまり、
胴元が財布の紙幣を封筒に移して、その場で ひとつのペアを作ろうが、
そこには、なんらの違いもない
‐‐ からです。


 2つの封筒問題

 ここに二つの封筒がある。
 どちらかの封筒にはもう一方の2倍の金額が入っている。
 今 あなたは一つの封筒(これを"封筒a"とする)を手にとった。
 中を確認すると1万円が入っていた。
 ここで、あなたは封筒a を、選ばなかった封筒(これを"封筒b"とする) と交換してもよいと言われる。
 では、あなたは
 封筒a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、封筒b に交換した方が得か?



この 典型的な「2つの封筒問題」の場合の事象の分枝のイメージは、
次の図のようになります。

典型

図:典型的な「2つの封筒問題」の事象の分枝

この図では、例えば { 2500,  5000 } のような
百円単位以下が 0 でない金額を含む封筒のペアは省略していますが、
そのことは ここでの私の論弁には全く影響はありません。
そして、
この「2つの封筒問題」の場合の事象の分枝のイメージは、
先の 準備された封筒が三組だけの場合(図:「あなた」からみた事象の分枝)と 本質的に なんら変わるところはありません。
なので、
「2つの封筒問題」の答は次のようになります。

 【答】
  封筒a をそのまま貰おうが、封筒b に交換しようが、
  どちらが得ということはない。

 【解説】
  封筒a の中身は1万円なので、
  今、ゲームで使われている封筒のペアは、

  { 5000, 10000 } / { 10000, 20000 }  

  の どちらかであり、
  そして、どちらがより確からしいという根拠は何もないので、

   封筒b の中身が 05000 である確率 : 1/2
   封筒b の中身が 20000 である確率 : 1/2

  となると、
  封筒b の中身の「期待値」を、

   (5000 + 20000) × 1/2 = 12500

  と算出できるように見えるが、
  この算出では、これから行う ひとつの試行:「封筒a を 封筒b に交換する」では実現しない実現値も
  含まれているため、
  この「期待値」:12500 は、これから行う ひとつの試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値ではなく、
  今ゲームに使われている封筒のペアが
  { 05000, 10000 } の場合の試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値 と
  { 10000, 20000 } の場合の試行:「封筒a を 封筒b に交換する」の期待値 との
  単なる平均値にすぎない。
  よって、
  「期待値」:12500 は 封筒b の中身の真の期待値ではないので、なんらの指針とも成り得ず、
  「あなた」に言えることは、ただ

   封筒b の中身は 各々確率 1/2 で、5000 / 20000 のどちらかである

  ということだけ。
  なので、結論は、

   封筒a をそのまま貰おうが、封筒b に交換しようが、
   どちらが得ということはない。

ついでにいうなら、
「2つの封筒問題」の「封筒を交換した場合の期待値」の算出には、
必ず、「自分が選んだ封筒に確認した金額」の2倍の金額の 1/2 の項が有るので、
この偽期待値:「封筒を交換した場合の期待値」は、
「自分が選んだ封筒に確認した金額」がいくらであろうと、
必ず、「自分が選んだ封筒に確認した金額より大きくなる」という馬脚を現すことになります。
そして、
この「馬脚」こそが「封筒のパラドックス」の根源に他なりません。




二封筒問題における期待できない「期待値」 
確定日付:2016年07月11日 小松平内役場第515号

(*1)
一般的に言われる期待値の定義は、「期待値は、確率変数の実現値を, 確率の重みで平均した値である」(ウィキペディア - 期待値 [2017/03/22現在])ですが、これは、こう計算すりゃ「ある試行を無限に行った場合に「実現」する全ての実現値の平均値」が得られるよ、ということです。

(*2)
男女を一緒くたにした「日本人の身長の平均値」に情報としての価値はあまりありません。
「日本人の平均身長」<「オランダ人の平均身長」
といった比較に意味があるのは、
女性の平均身長が男性の平均身長より一割小さいとはいえ、
どの国でも男女の人口比は ほぼ 1:1 だ、という前提があるから。
なので、
この比較に意味があるとしても それは非常に大雑把なもので、
極端な話、もしも、
女性と男性の平均身長にジョロウグモのような大きな差があり、
かつ、国ごとに男女の人口比が大きく異なっている、としたならば、
「日本人の身長の平均値」<「オランダ人の身長の平均値」
といった比較には全く意味がなくなります。
実際、
各国の平均身長を比較する、といった場合、
このページ↓のように、
 平均身長の国際比較
 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2188.html

ちゃんと男性の平均身長と女性の平均身長を分けて比較します。

(*3)
テストそれぞれの内容の違いは、
例えば、試行:サイコロ投げの場合の
サイコロを振る度の、色々なカオス的な要因(サイコロの投げ方、サイコロとテーブルの天板との反発係数 等々)の違いに該当します。
試行:サイコロ投げにおいて、サイコロを振る度に異なる目が出るのは、このカオス的な要因がサイコロを振る度に異なるからです。
そして、試行:数学のテストにおいて、それぞれのテスト毎にその内容が異なれば、それらのテストを受けたのが同一の人物であったとしても、その結果の点数も それぞれのテスト毎に異なるはずです。



【「2つの封筒問題」、あるいは「封筒のパラドックス」 関連記事】
 ・ トンチン解説 Type1:「期待値は正しい。交換した方が得」
 ・ トンチン解説 Type2:「選んだ封筒がXの時 選んでない方が2Xである確率は1/2ではない」
 ・ トンチン解説 Type3:「期待値は「相加平均」ではない。「相乗平均」なのだ」
関連記事
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この記事へのコメント

遅読猫 : 2016/02/28 (日) 21:06:02

※コメントを頂ける場合、
「URL」欄に御自分のブログまたはサイトのURLを、初回だけで結構です、必ず記入してください。
記入がない、若しくはデタラメの記入と判明した場合は、
削除させて頂きます。

よろしくお願いします。

OKP : 2016/10/03 (月) 11:33:20

ここまできちんと分岐を書いて考察されていながら、金額が具体的に(1万円と)確認された場合は交換が得と、何故お分かりにならないのか不思議です。5組の例でシミュレーションすれば明確だと思います。
つまり、金額が特定できた時点から生じる25%有利を何故、不問(幻の期待値)として、特定できない場合の全体の期待値を採用するのでしょうか?
繰り返しますが、5組のケースで多数回試行のシミュレーションをすれば交換が得なのが明確ですが(1万円が確認できた場合の交換による回収額)、それをどういう根拠で損得なしと修正するのですか?

私は「絵解きパラドックス」流用とされている、1万円を確認した場合は交換が得、金額確認しない場合は損得言えない、で合っていると考えます。

Chidokcat : 2016/10/04 (火) 12:53:26

> つまり、金額が特定できた時点から生じる25%有利を何故、不問(幻の期待値)として、特定できない場合の全体の期待値を採用するのでしょうか?

私は「金額が特定できた時点」では、「金額が特定できない場合の全体の期待値」も「採用」していませんがね。

> 5組のケースで多数回試行のシミュレーションをすれば交換が得なのが明確ですが(1万円が確認できた場合の交換による回収額)、それをどういう根拠で損得なしと修正するのですか?

だから、そのシミュレーションの結果=「1万円が確認できた場合の交換による回収額」の平均=「幻の期待値」だって言ってんですがね。
「根拠」は本記事にあるとおり。

> 私は「絵解きパラドックス」流用とされている、1万円を確認した場合は交換が得、金額確認しない場合は損得言えない、で合っていると考えます。

では、質問。
■「1万円」に限らず、確認したのが いかなる金額であれ「確認した場合は交換が得」なんでしょうか?
はい/いいえ で答えてください。
で、
OKPさん、本コメントに返信いただける場合は、
今度こそ、あなたのブログが開く「URL」を入力してください。
そして、それが本当にあなたのブログか、私が確認できるように、私の記事にツッコミを入れた旨の記事を書いて、その記事に私の質問の答えを書いてください。
そうしていただけない場合、先に頂いたコメントも全て削除します。

φ : 2016/11/16 (水) 11:51:01

2封筒問題における期待値を、「期待できる期待値」と「期待できない期待値」に分けるというのは極めて斬新な考え方です。
ただ、
>封筒b の中身は 各々確率 1/2 で、5000 / 20000 のどちらかである
ということを認めてしまうと(あなたは認めています)、いやでも交換による期待値は12500円にならざるを得ません。
これは平均値であって期待値ではないというのは詭弁になってしまいます。
何故、期待値でなく偽期待値なのかという説明が欲しいところです。

ちなみに、このゲームを繰り返した場合、必勝法はいくつかあると思いますが、
例えば、「一度見た金額の2倍の金額を見た場合は交換しない。」とすれば、25%の利益に収束しますね。

yosiokakun : 2016/11/17 (木) 04:45:56

>全ての「実現値」の総数に比べて少数の偏った実現値の平均値を算出しても、それは期待値ではありません。
>よって、あなた や友人が立てた これらの「期待値」は、なんの意味もない只の数字であり、賭けにおける損得に対する なんらの判断材料にもなりません。
>以降、
>ある一試行における全ての実現値の平均値のみを"期待値"と呼び、
>「あなた」や友人が算出したような「期待値」を"偽期待値"と呼びます。

>「期待値」とは あくまで ある一試行における全ての実現値の平均値です。
>なので、「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値は、
>「サイコロ投げの出目」の特性(property)であり、それは、言うまでもなく 3.5 のみ。


「偽期待値」という謎の概念は何なのでしょうか。
サイコロの喩えで「1,2」という用紙のペアが出てくれば「偽期待値」は1.5ですが、その場合も、『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は、必ず3.5になるとお考えなのでしょうか。

1,2の用紙のペアが出てきた場合、32000円の賭け金を払うとかならず収支はマイナスになります。必ず賭けは降りたほうが有利です。

降りた方が有利なことからも明らかなように、1,2の紙片という情報を得たあとでは、 『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』 は3.5ではない、
それより小さいということがわかります。

逆に紙片に5,6と書かれていれば、この賭けに乗れば「期待値3.5の場合の3000円」よりもかなり大きな利益が得られることがわかります。


確かに単純な和平均では誤った数値が出ますが、
あなたの言う「偽期待値」には実際期待される収支との相関があります。
従って「賭けにおける損得に対する なんらかの判断材料」になります。

>よって、あなた や友人が立てた これらの「期待値」は、なんの意味もない只の数字であり、賭けにおける損得に対する なんらの判断材料にもなりません。

従ってこの文が誤っているのは明らかです。

手持ちの(自分に対して公開されている)情報や前提が異なれば期待値が異なってくるのは当たり前ですよ。


ブログを持っていないので、先程開設しました。
もしコメントに対して意見があるようでしたら、返信いたします。


Chidokcat : 2016/11/19 (土) 12:28:35

コメント投稿者"φ"は「URL」に三浦俊彦さんの掲示板(http://8044.teacup.com/miurat/bbs)を入れてきました。
"φ"は三浦さん御自身が掲示板で使ってらっしゃるハンドルネームです。
それで、三浦さんに確認したところ、コメント投稿者"φ"はスマシであることが判明しました。

スマシのIP
s213.GchibaFL5.vectant.ne.jp

yosiokakun : 2016/11/20 (日) 06:55:32

{ 05000, 10000 }
{ 10000, 20000 }
{ 20000, 40000 }

以下はこの三組から選ぶケースについての話です。

>ついでにいうなら、
これら偽期待値の算出では、自分が選んだ封筒に確認した金額の2倍の金額を 1/2 の確率で設定しているので、この偽期待値が自分が選んだ封筒に確認した金額より常に大きくなるのは当たり前の話です。

この文章だけで遅読猫さんが問題を正しく理解していないことが分かります。
封筒に40000円入っていた場合、遅読猫さんが『偽期待値』と称するものは『自分が選んだ封筒に確認した金額より小さく』なります。

従ってその後の拡張も全て誤りです。


封筒を開けて5000円が入っていれば当然交換が有利になり、40000円が入っていれば当然交換が不利になりますよね。

問題にされるのは「封筒を開けて金額を確認した後の期待値」であり、これは偽期待値でもなんでもありません。

遅読猫さんが「真の期待値」と呼んでいるものは、「封筒を開けて金額を確認する前の期待値」です。

「封筒を開け、10000円という金額を確認したのち」、封筒を交換した場合の利得期待値はプラスになります。これは偽期待値でもなんでもありません。
「封筒内に10000円を確認した」という条件付きの場合、交換後得られる金額の期待値として12500円は正しい数字です。

「封筒内に20000円」の場合も同様、交換後金額の期待値は25000で正しいです。

「封筒内に40000円」の場合は交換後金額は20000円で確定です。必ず20000円になります。これは偽期待値なのでしょうか?

これだけは正しい期待値だと言うなら「1万円」「2万円」のケースでの1.25倍の金額はなぜ偽期待値になるのでしょうか?

この一事だけからでも、遅読猫さんの論理は「封筒3つの例」の時点で破綻しておられることが分かると思います。

Chidokcat : 2016/11/20 (日) 20:37:24

> サイコロの喩えで「1,2」という用紙のペアが出てくれば「偽期待値」は1.5ですが、
> その場合も、『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は、
> 必ず3.5になるとお考えなのでしょうか。

いいえ。私が、
「「1,2」のペアを得た時点でも、「サイコロ投げの出目」の期待値」:3.5 が有効だ」
って、どっかに書いてますか。

> 1,2の用紙のペアが出てきた場合、32000円の賭け金を払うとかならず収支はマイナスになります。
> 必ず賭けは降りたほうが有利です。
> 降りた方が有利なことからも明らかなように、1,2の紙片という情報を得たあとでは、
> 『「カップの中の出目」、つまり「サイコロ投げの出目」の期待値』は3.5ではない、

正しくは、
「1,2」のペアから得られる期待値は
「カップの中の出目」の期待値ですが、「サイコロ投げの出目」の期待値ではありませんね。
ここは、私の書き方が悪いか…。

> 確かに単純な和平均では誤った数値が出ますが、
> あなたの言う「偽期待値」には実際期待される収支との相関があります。
> 従って「賭けにおける損得に対する なんらかの判断材料」になります。

う~ん、これは確かにそうです。
ここが私の議論の心臓部ではあるのですが、確かに弱いです。
もっとよく考えて、書き直すかもしれません。

> 手持ちの(自分に対して公開されている)情報や前提が異なれば期待値が異なってくるのは当たり前ですよ。

これは、いまのところ、私は当たり前だとは思っていません。
手持ちの情報や前提が異なればその値も異なる、いわば「主観的な」期待値はあてにならないような気がします。

>「これら偽期待値の算出では、自分が選んだ封筒に確認した金額の2倍の金額を 1/2 の確率で設定しているので、
> この偽期待値が自分が選んだ封筒に確認した金額より常に大きくなるのは当たり前の話です」
> この文章だけで遅読猫さんが問題を正しく理解していないことが分かります。
> 封筒に40000円入っていた場合、遅読猫さんが『偽期待値』と称するものは『自分が選んだ封筒に確認した金額より小さく』なります。

アホか。
私は「「1万円」「2万円」のケースでの1.25倍の金額」の話をしてるんだが。

> ブログを持っていないので、先程開設しました。

私がコメント投稿者にブログのURLを求めるのは、その人が一体どういう考えを持ってるか、知りたいからなんですがね。
いままで私にコメントをくれた方々は、誰一人ブログもホームページも持ってらっしゃらないのは、どういうことでしょうかね…。

> もしコメントに対して意見があるようでしたら、返信いたします。

返信、いりません。

せっかくブログを開設したんなら、
そちらに、まずは、"あなた"の「2つの封筒問題」の解答を書いてください。
その上で、私の考えに異論があるなら、それも"あなたのブログ"で記事にしてください。
そうしたら、私に、そういう記事を書いた旨、コメントください。
かならず見に行きます。

私の他の記事も読んでもらうとわかるとおり、
私は他の人の解答にツッコミを入れるとき、
必ず、それ(他の人の解答)に替わる自分の解答を書いています。
他の人の解答に、ただただ「ここがおかしい、ここもおかしい」とツッコミを入れるだけなら、サルでもできますし、なによりフェアじゃない、と私は思います。

スターダスト : 2016/11/22 (火) 16:35:13

こんにちは。初めまして。封筒交換問題の記事を拝読いたしました。是非参考にさせて頂きましてこれからも考えていきたいと存じます。

さて、類題がございまして数年来抱えたままでおります。以下に記させて頂きます。もしよろしければ解析のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

■問題の前提
ふたつの未知の通貨単位、〈アルド〉と〈ボンエー〉とがあります。それぞれ略号をα、βとします。ふたつの通貨単位のあいだの交換レートは、《1α=2β》もしくは《2α=β》であって、それぞれである確率はともに1/2とします。
また、〈アルド〉や〈ボンエー〉の、対円の交換レートも最初は知らないものとします。

【札交換問題1】

 ここに2枚の札があります。
 1枚の額面は《100アルド》、もう1枚の額面は《100ボンエー》です。
 今 あなたは1枚の札(これを"札a"とします)を手にとりました。
 ここで、あなたは札aを、選ばなかった札(これを"札b"とします) と交換してもよいと言われます。
 では、あなたは 札a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、札b に交換した方が得か?

===

【札交換問題2】

 ここに2枚の札があります。
 1枚の額面は《100アルド》、もう1枚の額面は《100ボンエー》です。
 今 あなたは1枚の札(これを"札a"とします)を手にとりました。

すると「ああ、それは丁度1万円と等しい価値があるね」と教えられました。

 ここで、あなたは札aを、選ばなかった札(これを"札b"とします) と交換してもよいと言われます。
 では、あなたは 札a をそのまま貰っておく方が得か?
 それとも、札b に交換した方が得か?

===

最後に愚考を陳述いたします。
【札交換問題1】は自明であって交換するもよし交換しないもよし、これ以外に考えられません。
【札交換問題2】に於いて札aの価値を対円交換レートに従って換算したもので教えてもらうことは封筒交換問題で開封して一万円を確認することに相当いたしますが…この知識が札aまたは札bの選択の戦略に影響してよいものなのかどうかについて悩みが深いのです。私は円の価値を知っていますが、たとえば優秀なAIに判断させるならば…円の価値などAIは実感しませんことですし。AIにとってアルドもボンエーも円も、ただの記号に過ぎませんので。数学的に解けるAIにとっては、《「ああ、それは丁度1万円と等しい価値があるね」》という情報は無価値になるのではないかと愚考する次第です。
悩みは数年解決できずに放置しておりました。これを機会に何か前進したいと望んでおります。どうかお力をお貸し下さいますよう、お願いいたします。

Chidokcat : 2016/11/23 (水) 11:28:05

s_hskz(ほしくず)さん?初めまして。

【札交換問題】、おもしろいものを考えつきましたね。
【札交換問題1】は「2つの封筒問題」の選んだ封筒の中身を確認する前と同型、
【札交換問題2】は「2つの封筒問題」の選んだ封筒の中身を確認した時と同型
だと思います。
なので、「2つの封筒問題」の解答がそのまま【札交換問題】の解答になるはずです。

> 札aの価値を対円交換レートに従って換算したもので教えてもらうことは
> 封筒交換問題で開封して一万円を確認することに相当いたしますが…
> この知識が札aまたは札bの選択の戦略に影響してよいものなのかどうかについて悩みが深いのです。

私は、
「開封して一万円を確認する」=「この知識」は、「札aまたは札bの選択の戦略に影響」しない、
というか そもそも「戦略」などというものはなく、
「一万円を確認した」からといって、「交換しようが/しまいが どちらが得ということはない」(選んでない方は0.5万である確率、2.0万である確率はそれぞれ1/2)という"対称性"にはなんらの影響もない、
と考えています。

「2つの封筒問題」でホントにやっかいなのは、例の、選択していない封筒の「期待値」:0.5万×1/2 + 2.0万×1/2 = 1.25万 ってヤツで、この「期待値」が この"対称性"を"壊してしまう"ことです。
なので、この「期待値」は「偽り期待値」である、というのが私が記事で主張していることです。
ですが、その根拠は、他のコメント投稿者に指摘されたとおり、詭弁といわれても仕方ないもので、現在再考中です。

と言う訳で、今は なにも力になれなくて申し訳ありません。

ちなみに、
ほしくずさんの【札交換問題】からも(札に書かれた数値は"100"だけなので)、
ネット上に腐るほどある、「2つの封筒問題」に対する「封筒の中の金"額"の事前分布が云々」という解答が全くのナンセンスであることが分かります。
これに関して、私の記事「トンチン解説 Type2:「選らんだ封筒がXの時 選んでない方が2Xである確率は1/2ではない」」も読んで頂けたら幸いです。
http://philonous.blog111.fc2.com/blog-entry-57.html

スターダスト : 2016/11/26 (土) 00:43:08

美添先生による解析を拝読いたしました。

気になる点を述べたいと存じます。

確率変数が離散的ではなく連続の場合になりますが。

■決めごと
ホストが封筒を2つ用意しゲストが選択する、と登場人物に名をつけます。
ホストが用意する2封筒にはいっている金額の合計を、(確率変数 x を導入し) 3x とします。
金額の小さいほうの封筒の金額は x であり、金額の大きいほうの封筒の金額は 2x です。
《確率変数 x は自然数ばかりではなく、正の実数をとれるものとします》


ホストは、用意する合計金額 3x として どのような大きさの数を選ぶか。
これを確率密度関数 r を使って、
r(3x) と表記します。

要はホストのフトコロ具合や気まぐれなどを r で表すわけです。

rに付随して変化する、金額が小さいほうの封筒の 金額の分布を、確率密度関数pを用いて、p(x)として表します。

同様に、rに付随して変化する、金額が大きいほうの封筒の 金額の分布を、確率密度関数qを用いて、q(2x)として表します。

■考察
pについて、変数が、xからx+Δxまで変化するときに、
qについて、変数は、2x から、2x+2Δx まで変化します。

すなわち、pのグラフとqのグラフを比較すると、qのグラフはちょうど、pが横に2倍引き延ばされたかっこうになります。
しかも、qのグラフは、縦に高さが1/2に押し潰された格好になります。
確率密度で考えていますから、小さいほうの封筒の金額と対応する大きいほうの金額のペアを考えると、大きいほうがスッカスカなわけです。

■結論
p(x)=2*q(2x)

===

■今後の課題

・世間ではよくみられるように、たとえば p(5000)=p(10000)=p(20000)といった 一様な確率密度を想定していますが、実は封筒問題には、そのことは明示されていませんので自由度があります。
このことをもっと考えたいです。
すなわち、
世間ではよくみられるように、
[5000,10000]のペアと[10000,20000]のペアとが同じ確率で起きるとしていますが、問題文には明示されていません。


■余談
美添先生はどうやらこうした不定性を問題にしていると思いました。
でも確実なことがひとつあります。
p(x)=2*q(2x)

です。

これを基礎に、たとえば、けして自明ではない、強い仮定(p(x)=q(x))を追加すると、
p(x)=C/x ... Cは定数
が出てきます。

ちょっとビックリですね。

Chidokcat : 2016/11/27 (日) 10:35:58

> 金額が小さいほうの封筒の金額の分布を確率密度関数pを用いて、p(x)として表します。
> 金額が大きいほうの封筒の金額の分布を確率密度関数qを用いて、q(2x)として表します。
> …
> 確率密度で考えていますから、
> 小さいほうの封筒の金額と対応する大きいほうの金額のペアを考えると、
> 大きいほうがスッカスカなわけです。
> ■結論
> p(x)=2*q(2x)

「金額が小さいほう」/「金額が大きいほう」それぞれの確率分布を比較しても全く無意味です。
2つの封筒問題では、「封筒の金額」が個々に使われる訳ではなく、「封筒の金額」の"ペア"が使われます。
なので、
もし、なんらかの確率分布を云々したいのであれば、
それは、《金額のペアの確率分布》でなくてはなりません。
しかしながら、
そもそもの話、2つの封筒問題では、それが例え《金額のペアの確率分布》であれ、あるいは他の何かの確率分布であれ、そんなもの、いくら捻り出しても全く無意味です。

スターダスト : 2016/11/27 (日) 17:53:30

《金額のペアの確率分布》
については、

■今後の課題

に繰り混みましたので、ご批判はごもっともです。
===
《金額のペアの確率分布》を考える上で、それとは無関係に、
p(x)=2*q(2x)
が云えるとだけ申しました。


さらに
■余談
では、
「けして自明ではない、強い仮定(p(x)=q(x))を追加すると、」とした上で、この特殊な状況のもとでは 《金額のペアの確率分布》がひとつ定まる、と示唆いたしました。
その際には条件によらず普遍的に成り立つ
p(x)=2*q(2x)
を使うことになります。

===
さまざまな《金額のペアの確率分布》を考えていかねばならないというご意見について同意いたします。

スターダスト : 2016/11/28 (月) 15:12:22

封筒問題については一旦置きまして(あとで戻りたく存じます)ひとつ骨休めに以下の問題は如何でしょうか。モンティ・ホール問題とは似て非なる問題ですが敢えて舞台設定を借りることと致します。

■前提
羊が三匹います。三つ子です。仮に名前を「とんきち」「ちんぺい」「かんた」と名付けておきます。一対一で喧嘩をすると常に「とんきち」は「ちんぺい」や「かんた」に勝ちますし、また、常に「ちんぺい」は「かんた」に勝ちます。この羊の飼い主には「とんきち」「ちんぺい」「かんた」の区別がつきますが、モンティをはじめテレビスタッフや視聴者など一般の人には区別がつきません。モンティ・ホール・ショーの出し物に使うためには不便ですので、飼い主に手伝ってもらい、各々の羊に名前入りの鈴がある首輪をつけます。但し名前は鈴を割ってみないとモンティや一般の人には不明のままとします。
羊に関しての以上の前提はルールとして全ての人が知っているものとします。おっと、豪華商品としてスポーツカーを一台用意してあります。

■出し物
モンティ・ホール・ショーのゲストであるあなたの前に三つの扉が引き出されます。それぞれの背後にはくだんの羊が一匹づつ隠されています。傍らに羊の飼い主もニコニコして立っています。
モンティが言います。
「さて、二匹の羊のうち喧嘩に強い羊を選んだらスポーツカーが賞品として貰えます。扉をひとつ選んで下さい、それが取り敢えずのあなたの羊となります。」
あなたは扉をひとつ選び、羊が一匹出てきました。(飼い主さんにはその羊の名は一目瞭然です。)
モンティは公正なコインを全員に見せながら告げます。
「残された扉は二つです。コインをなげ表が出たらこちらの、裏が出たらあちらの扉を舞台の脇まで片付けてしまいます。」
コイントスが行われ、扉がひとつ撤収されます。そのときにモンティは「飼い主さん、今舞台からいなくなった羊の名前をご確認ください。」と言います。飼い主さんはその指示に従います。
モンティは告げます。
「飼い主さんにお尋ねします。いまゲスト(つまりあなた)の選んだ羊と、舞台からいなくなった羊とでは、どちらが喧嘩に強いでしょう。羊の名前は伏せたうえで教えて下さい。」
飼い主はあなたの羊といなくなった羊のどちらが喧嘩に強いのかを皆に知らせます。
モンティはあなたのほうに向き直り尋ねてきます。
「さて、取り敢えずのあなたの羊が、最後の扉の背後にいる羊よりも喧嘩に強ければ、スポーツカーはあなたのものになります。でも考え直しても構いません。羊を交換しても良いのですよ?さあ、どう致しましょうか。」
(この決着は羊の首輪の鈴が割られて名前が明らかになることでつけられます。)

==
ある人はこう考えるかもしれません。「モンティも私も偶発的に羊を選んだ、残された3番目の扉の最後の羊も偶然に選ばれている。ならば私の羊と最後の羊のどちらが強いかなんてのはフィフティフィフティだ。」
またある人はこう考えるかもしれません。「モンティが選んだ羊とわたしが選んだ羊との強弱がわかっている、なんとかこのデータを使えないのだろうか……」

===
さて、このゲームではどのように振る舞うことが最善でしょうか。

遅読猫さんには簡単すぎるかもしれませんね。

※実は…この問題があとで封筒問題を考えるための材料となればよいなあと企んでおります。

Chidokcat : 2016/11/30 (水) 12:44:32

スターダストさんへ

「モンティも私も偶発的に羊を選んだ、残された3番目の扉の最後の羊も偶然に選ばれている。ならば私の羊と最後の羊のどちらが強いかなんてのはフィフティフィフティだ」
と、私も思いますけど、間違ってます?

> 封筒問題については一旦置きまして(あとで戻りたく存じます)
> …
> ※実は…この問題があとで封筒問題を考えるための材料となればよいなあと企んでおります。

この後の考察は、御自分のブログを開かれて、そこで展開されたら面白いと思います。
その際に、またお知らせください。必ずお伺いします。
(コメントでやり取りを続けると話の流れが段々分かりにくくなってくるので、申しわけありませんが、よろしくお願いします)

スターダスト : 2016/12/01 (木) 13:54:19

こんにちは。

>この後の考察は、御自分のブログを開かれて、そこで展開されたら面白いと思います。

ブログの保守には向かない性質な軟弱者でして過去に何度も閉鎖してしまった身でございます……さて如何致しましょうか。
この[横道にそれて]の羊三匹問題の私による想定解をお示しした後、この羊三匹問題から封筒問題へのロードマップをごくごく簡単に書かせて頂きまして詳細は抜きにて終了させて頂くことと致したいと存じます。もしも宜しければですけれども。

さて。

■羊三匹問題の想定解

記述の省略のために、羊の喧嘩での優劣を 不等号であらわすこととします。すなわち、
負ける羊<勝つ羊
と約束します。

※尚、羊の強さを可視化した数値を考えてその大小比較をしようとしているのではありません。「ガウス分布しているはずだ」など、羊の強さの分布を考慮するような生臭い論議を始めると大変だからです。閑話休題。

問題文より、
ちんぺい<とんきち
かんた<とんきち
かんた<ちんぺい
が成立するのでした。

ゲスト(=あなた)が最初に選んだ羊をa、モンティが取り除いた羊をs、最後の扉の羊をb とします。aとbとの喧嘩での優劣を推理したいのでした。「a<b」と「a>b」とで、どちらがもっともらしいかを確率的に判定したいわけです。

以下の6つのパターンは同様に確からしく発生します。
a<b<s
a<s<b
b<a<s
b<s<a
s<a<b
s<b<a

何も情報が与えられなければb<aとb<a とが等確率で発生します。すなわち、羊を無理に交換する必要はありません。自明ですね。ところが、三匹の羊飼いにより「a<s」または「a>s」のどちらが発生したのかについて情報を得ますと事態は一変します。

・「a<s」と判明
事態が絞られて
a<b<s
a<s<b
b<a<s
のどれかが起きたとわかります。
2/3の確率で「a<b」が、1/3の確率で「b<a」が起きているのですから、ゲストがより強い羊を得るためにはaを交換してbを得たほうが良いことになります。

・「a>s」と判明
同様に分析すれば交換せずにaのままでいたほうが良いことになります。

まとめ。
いずれにせよ2/3の確率でスポーツカーをゲットできます。

羊三匹問題の想定解の説明を以上で終わりに致します。

===

■ネクストステップ

羊三匹問題を踏まえたうえで、以下の数理パズルを吟味したかったのです。

●マハラジャの新しい賭け遊び∥
・問題 
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/alice/201508/question.html

・回答
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/alice/201508/answer.html

2つの数値のうち片方だけ見せられたときに交換したほうがよいかどうかを問う、そんな小問が4つ組み合わされています。【特に第3問が封筒問題に迫る手がかりとなりそうです】

ご注意。ふたつの数値のうち大きいものを当てるゲームですが、勝ったときのゲインと負けたときのペナルティが符号は違えど同額固定です。

(答えにはabsの3つの数値が使われますが、羊三匹問題で慣れておこうと思っていました)


■ラストステップ
勝ったときのゲインと負けたときのペナルティの額を変動させて封筒問題と比較する

…… 分析には自信がありませんが、私が思うに、恐らくは、封筒を交換することが得という結論になってしまいました。

===

ロードマップも記しましたので、ここまでで中締めと致したく存じます。

ここまでご辛抱頂いたこと、そして、ご厚情に感謝申し上げます。

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